靖国神社
靖國に 白鳩集う 平和の日
靖國神社(九段北三丁目1―1)
1869年(明治2年)に創建された靖國神社。前身は招魂社といい、明治天皇の思し召しにより創建されました。
九段坂から最初に見える第一の鳥居は、1921年(大正10年)に当時日本一の高さ25メートルの大鳥居として誕生しました。長年の風雨で損傷が激しくなり、一時撤去されましたが、1974年(昭和49年)に再建されました。歩みを進めて、参道中程には東京の三銅像の一つ、近代陸軍の創始者である大村益次郎(旧名:村田蔵六)の銅像がそびえ立ちます。本殿に背を向け、江戸の鬼門(艮(うしとら)の方位)にある上野公園の方を向いて立っているのは、彰義隊との戦いで、江戸城本丸で指揮した姿を模しているためです。手には双眼鏡をもち、天気の良い日には頭上に鳩が止まっていることもあります。
一年中参拝者の絶えない東京の名所として知られ、神社では年間を通して様々な行事が行われています。春の例大祭に行われる奉納相撲は、創建以来続いている伝統行事です。とくに賑わいをみせるのは、東京の夏の風物詩でもある「みたままつり」です。1947年(昭和22年)から始まった行事で、東京のお盆の期間にあたる7月13日から16日にかけて行われます。境内には、3万灯を超える奉納提灯や揮毫ぼんぼりが掲げられる中、銅像の台座を囲んで盆踊りが繰り広げられ、浴衣姿の若者たちが大勢訪れます。
また、翌8月15日の平和の日には、初詣よりも多くの参拝客が訪れます。この日は午前10時から境内にある能楽堂前で「放鳩式(ほうきゅうしき)」という行事が行われています。
神社では1973年(昭和48年)に「白鳩の会」を組織して、神門の横に鳩舎を設け、白鳩を飼育してきました。白鳩は1万羽に1羽しか生まれないため、専門家による手厚い管理が必要であり、年2回獣医による定期検診を行うなど、日々厳重に管理されています。当日は会員だけでなく、一般の参拝者も参加して、100羽の白鳩を「ありがとう」という言葉とともに、一斉に大空に放つ恒例行事となっています。
更新日:2022年10月03日